ボーナスをすべて競馬に突っ込み、昇進を棒に振り、最後には職まで失い…薫の気をひくために、達郎は捨て身でぶつかってゆく。武田の熱演は「人は変われる」という本作のテーマを見事に描き出し、観る者に勇気を与える。死んだ婚約者を忘れられず、閉ざされた薫の心を「愛と勇気の力」で達郎が解放するというヒロイックロマン的な筋が、普遍性のあるメロドラマとして本作を成功させている。達郎の弟役を演じる江口洋介と武田の息のあったコミカルな演技も見所のひとつである。(井上新八)
最大の理由は、やはり武田鉄矢が唄う「少年期」が入っているから。思わず胸にじーんときてしまう名曲だ。小さい頃に見に行った映画でこの曲と出会い、その余韻が忘れられずにこのCDを買ってしまう。そんな人が後を絶たないのも、実際に映画を観れば十分納得がいくに違いない。(木村ユタカ)