■Amazonエディターレビュー 『新世紀エヴァンゲリオン』のプロデューサー大月俊倫が、その後に製作したTVアニメの劇場版3作品を、一挙DVD-BOX化。まず佐藤竜雄監督の『劇場版機動戦艦ナデシコ PRINCE OF DARKNESS』はTV版から数年後、機動戦艦ナデシコのクルーたちが再び地球の危機に立ち向かうさまを描いているが、おもしろいのはオープニング早々、TV版の主人公とヒロインの死亡(!?)を知らされること。代わりにTV版の人気1キャラ、ホシノルリが主人公となり、壮大なSFとギャグの応酬の中、彼女の青春ドラマとしても巧みに屹立。ラストシーンの彼女のアップショットは、アニメ史上に残る名場面となった。 幾原邦彦監督の『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』は、TV版とは設定が異なり、全寮制の学園に転校してきた男装の美少女ウテナを中心に、耽美的かつ前衛舞台的な超現実世界が繰り広げられていく野心作。TV版同様に、寺山修司劇で知られるJ・A・シーザーの音楽が高らかに鳴り響く。そして桜井弘明監督の『アキハバラ電脳組 2011年の夏休み』は、TV版の後日譚。かつて地球の危機を救ったサイバー美少女たちが、アキハバラを中心に再び勃発する危機に立ち向かっていく姿を、時に夏休みの一コマの思い出のようにセンチメンタルに描いた珠玉作である。いずれも1990年代末期を代表するアニメ映画であり、TV版未見の方にもぜひ触れていただきたいオススメ作ぞろいである。(的田也寸志)