 | 私を抱いてそしてキスして B0000ESL84
■Amazonエディターレビュー OLの圭子(南野陽子)は、突如自分がエイズに感染していることを知らされた。それはかつての恋人から移されたものだったが、動揺と絶望、そして社会の偏見に恐怖する中、彼女は高野(赤井秀和)という証券マンと出会い……。 家田荘子のベストセラー・ノンフィクションを原作に、オリジナルストーリーを構築して描いた作品。『未完の対局』『敦煌』など国際的大作を連打していた佐藤純弥監督にとっては久々の小品だが、エイズに関するデータを徹底的に分析しつつも、それらをさりげなく劇中に盛り込み、その上で単なる難病映画でもキワモノ的興味でもない、ヒロインの真実の愛の軌跡をつづるラブストーリーとして見事に昇華させた佳作に仕上げている。ジャーナリスト(南果歩)の偽善もさりげなく突くなど、社会派としての奥も実は深い。南野陽子は極度の減量をして役に臨んでいるが、いわゆる熱演型の鬱陶しさとは一線を画したものになっているのも、彼女の長所をたくみに救いとった佐藤演出のたまものだろう。(的田也寸志) |
 | 極道の妻たち B000066AEE
■Amazonエディターレビュー 家田荘子がヤクザの妻たちに取材してまとめあげた同名ルポルタージュを原作に、情念の巨匠・五社英雄監督が描き上げた異色ヤクザ映画で、21世紀に入った今なおも続く東映の人気長寿シリーズの記念すべき第1作である。 粟津組組長の妻であり、組織に忠誠をつくす環(岩下志麻)は、内部抗争の果てに、杉田組・組長(世良正則)と結婚した妹・真琴(かたせ梨乃)と敵対する運命に陥っていく…。和服にピアスといういでたちで登場する岩下志麻のインパクトはすさまじいものがあり、以後「初代・極妻」として多くの女性を魅了していくことになる。 映画音楽の名匠・佐藤勝の作曲によるけだるいサックスの調べは、後に「極道サックス」として、サントラ・ファンに親しまれるところとなった。(的田也寸志) |
 | 極道の妻たち 最後の戦い B0000ZP48I
■Amazonエディターレビュー 岩下志麻が復帰した「極道の妻たち」シリーズ第4作。今回の舞台は関西の広域暴力団・中松組から枝分かれした瀬上組。シリーズではおなじみのかたせ梨乃が、中松組に夫を奪われ復讐に燃える女に扮し、岩下と固い友情で結ばれる役どころを豪快に演じる。また彼女の舎弟に哀川翔、女子大生・志織を石田ゆり子が演じている。 かつてはひとつだった広域暴力団の内部抗争が拡大していく様子と、それに巻き込まれていく女たちの生き様が描写されていくのだが、いささか話が入り込みすぎていて、とりわけ抗争に至るプロセスが分かりづらいという欠点は見られるものの、岩下志麻の極道の妻ぶりは、まさに真打ち登場と呼ぶに相応しい。クライマックスで復讐の一撃を決めた彼女を警官隊が取り囲み、一斉射撃する幕切れは『明日に向って撃て!』『俺たちに明日はない』あたりのニューシネマを思わせる。(斉藤守彦) |
 | 極道の妻たち2 B00007M8NJ
■Amazonエディターレビュー 前年ヒットした『極道の妻たち』の、シリーズ化を想定しつつ東映が製作した第2弾。二代目極道の妻に十朱幸代を迎え、バブルまっただ中、新空港開設に湧く大阪を舞台に重宗組組長夫人の、命と意地を賭けた戦いを土橋亨監督がテンポよく描いた快作。前作に続いて登場するかたせ梨乃は、やくざとの間に生まれた娘を一流の私学校に入学させるためヌードモデルとなって身体を張る。 後の極妻シリーズは、次第に劇画タッチが濃厚になってくるのだが、この第二作では、まだ「愛した男が極道だった」という悲劇性が全面に出ており、そのせいかクライマックスもアクションではなく、十朱の啖呵で決着がつくあたり、ややカタルシスに欠けるきらいはあるものの、久々のヒット・シリーズを誕生させんと、あふれんばかりのサービス精神を見せる東映スタッフたちの心意気は充分に感じられる作品だ。(斉藤守彦) |
 | 新・バブルと寝た女たち B00005J49I
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 | 続・バブルと寝た女たち B00005J49H
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 | バブルと寝た女たち B00005G05V
■Amazonエディターレビュー バブル絶頂期の88年、父の家出により学費を払えなくなった美大生のみどり。銀座でホステスのアルバイトを始めるたが、そのうちパトロンを得て、23歳にして高級クラブの店を任されるようになる。しかし、やがてバブルが崩壊し、パトロンは破産。みどりも窮地に立たされていく。 家田荘子の同名原作を、新村良二監督で映画化。セクシー女優、立川宣子の体当たり演技も、公開時は話題になった。金にふり回されながら、哀れにも自滅していく男たちに比べて、女はあくまでもたくましく生き残る。そんな女の強さと美しさがヒシヒシと感じられる作品である。三好和宏の淡いタッチの撮影も、そんな女たちの美しさやはかなさを余すところなく活写してくれている。(的田也寸志) |
 | 極道の妻たち 三代目姐 B000095YL7
■Amazonエディターレビュー おそらくは「極道の妻」シリーズ最大の異色作にして、最も母性的な姐が登場する作品。シリーズ3作目の極妻には三田佳子が扮し、構成員1万5000人の大組織・坂西組の四代目の座を狙う幹部たちの争いを描く。 組長と共に組を切り盛りしてきた古参の幹部・成田三樹夫と、組長夫妻に可愛がられた萩原健一の若頭の対立を縦軸、三田の組長夫人とかたせ梨乃のクラブのママの女の戦いを横軸に置いた構成。おもしろいのはその中核にいる萩原と三田の、疑似親子的関係の描写である。その微妙なやりとりは、時に近親相姦的なニュアンスを漂わせつつ、跡目争いの殺伐たる描写の中にインモラルな香りを匂わせている。結局萩原は三田でもかたせでもない、若い清美(吉川十和子)を選んだ後に殺されてしまう。亡き組長の遺した遺書を破棄し、自ら坂西組を背負う決意をするクライマックスの三田の表情は極道ではなく、まぎれもなく母親のそれである。(斉藤守彦) |